右側からガツンときて、感電したかのような、思いもよらぬ鋭い痛みが走り、彼は自転車からぶっ飛ぶ。
2003年にノーベル文学賞を受賞した南アフリカ出身のジョン・マックスウェル・クッツェー(John Maxwell Coetzee)の
「遅い男」 の書き出しだ。
この作品のように突然始まる小説は多くなっている。
前にも書いたが、
音楽の世界でもイントロの短い曲がヒットしている。
Adoの「うっせぇわ」や、あいみょんの「今夜このまま」なんかイントロなしに始まっている。
小説・文学の世界でも
Adoの「うっせぇわ」みたいな作品はちゃんと存在する。
減るもんじゃねーだろとか言われたのでとりあえずやってみたらちゃんと減った。
私の自尊心。
返せ。
とか言っても・・・(舞上王太郎「阿修羅ガール」)
じっさい、行動描写や会話から書きだした方が〝引き〟が強い
だからといって、情景描写がいらないということもない。
絵画の世界では描写(デッサン)からちゃんと学ぶのに
文学ではそれがない。
「そして誰も描写しなくなった」になれば
文学なるものは完全になくなる。
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