【ドラゴンボール】 7ヶ国語で鼻くその秘密をそっと話くそうじゃないか

鼻くその秘密をそっと話すヤムチャ





ダジャレというのは、言うまでもなく訳しづらいものです。

洋画を見ていると、英語ではダジャレなのに字幕ではダジャレになってなかったり、ダジャレになってても不自然だったり、時には素晴らしく上手にダジャレで訳してあったりと様々です。

今回は、日本のダジャレが各国でどう訳されているか検証してみましょう。

テキストは『ドラゴンボール』第2巻。



↑『ドラゴンボール』第2巻

検証するのはこのシーン。

ハナクソの秘密を そっと話くそう!!

このシーンが各国でどうなっているのか確かめてみましょう。

今回使用するするテキストはこちら!


上段左から日本語英語フランス語
下段左からドイツ語イタリア語スウェーデン語韓国語です。

この7ヶ国を検証してみましょう。なんでこの7ヶ国かって? 特に意味はありません。たまたま運よく手に入れられたからです。(ドイツ語版とスウェーデン語版なんて、どういうわけか日本のブックオフで見つけちゃった)



英語版




He nose we're scared, but let the snot run.

snot とは鼻水(または鼻くそ)のことです。当然 nose(鼻) は knows(知っている) とかけているわけですね。なので直訳すると「あいつはオレたちが嫌がると知っていながら、鼻水をたらしやがった」となります。翻訳者頑張ってますね。

フランス語版




Ne merdons pas une pinute!

これは本当は Ne perdons pas une minute! となるべきで、単に m と p を入れ替えているだけです(英語に直せば Let's not lose a munite!)。おそらく merdons には「しくじる、しっぱいする」という意味もあるので(merderの1人称複数)、それとも引っ掛けているのでしょう。

こういう風に頭文字を取り替えるのを英語では spoonerism という用語まであるのですが(フランス語では contrepèterie 、日本語では「語音転換」または「頭音転換」)、これ面白いんかいな? 私には全然面白くないんだが。日本語とも全く意味が違うし。

イタリア語版




Ascoltatemi attentamente, ora vi parlerò dello scaccolatore folle!

scaccolatore は伊和辞典引いても出てこないんですが、ネットで調べてみたところ、どうも「ハナクソをほじる人」という意味だそうです(イタリア語はそんなのを1単語で表せるのか…)。

Ascoltatemi は Listen to me で attentamente は carefully。 ora は now。 vi は you (目的格)、ora vi parlerò は I'll talk(未来形)、dello scaccolatore folle で about the crazy "scaccolatore" なので、全体では「よく聞け。今からあの狂ったハナクソ野郎について話すぞ」という意味になるんですが、どこがどうギャグになっているのかよくわかりません。

ドイツ語版




Popel, Popel, in der Nase. Pustekuchen, Osterhase!

Popel は「ハナクソ」なので、日本語の原形をわずかに留めています。ダジャレとしては、単に音の似た単語を並べているだけで、ほとんど何の意味もありません。

Popel, Popel, in der Nase. は「ハナクソ、ハナクソ、鼻の中」

Pustekuchen, Osterhase! は「ざんねんだったな、イースターバニー」

です。単に in der Nase と Osterhase の音が近いというだけのもののようです。こういうのも日本のギャグにはないなあ。

ドイツ人にはこれが何か楽しいのか?

スウェーデン語版




Peta, peta i din näsa. Busen, busen ut du fräsa!

ドイツ語版によく似ています。恐らく日本語から訳したんじゃなくて、ドイツ語からの重訳ですね。実はスウェーデン版やデンマーク版の出版社はドイツ版の出版社と同じなので、ドイツ語からの重訳をしていると思われます。ヨーロッパでは時々こういうことがあります。

意味は、Peta が「突っつく」。i din näsa は your nose。 Busen は「ハナクソ」。ut du fräsa は「出てくる」。なので、「突っつく、突っつく、お前の鼻。出てくる、出てくる、ハナクソが」という意味ですね。

で、単に näsa が fräsa の発音が似ているというだけ。日本人はおそらくこの程度じゃダジャレと認識できませんが(単に「韻を踏んでいる」程度にしかならん)、ヨーロッパ人はこれが何か面白いんかいな?

韓国語版




이봐, 여기서 쥐 나울 거 같지 않냐? 무섭쥐~이.

이봐,(ねえ) 여기서 쥐 나울 거 같지 않냐 (ここ、ネズミが出てきそうじゃない?)?
무섭쥐~이.(こわ~い)

という意味です。「쥐」はネズミ。「무섭」は「怖い」。本来「무섭지」(怖いね)というべきところを「쥐」(ネズミ)にひっかけて「무섭쥐」と言っているわけです。日本語に訳すなら

「ここ、ネズミが出そうじゃない?」
「こわいでチュ~」


ってなところでしょうか。鼻くそなんの関係もないっすね。



というわけで、6ヶ国語の翻訳を見てきましたが、たったこれだけでも、けっこう各国のシャレの違いが感じられるのではないでしょうか。それにしても、英語と韓国語以外は何が面白いのかちっともわからん…。(翻訳ミスや解釈間違いがありましたら教えてください)

このシーンはストーリー上どんなシャレだろうが構わなかったので各国かなり適当に訳していますが、日本人としては、できることならもう少し原型を残してほしいところでしたね。

「MANGA王国ジパング」は、これからもハナクソの秘密をそっと探求していきます。

ではまた!


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