『キャプテン滝』! フランス版『キャプテン翼』の主役は滝で著作権は小学館? 芸術の国フランスの謎!

ワールドカップが盛り上がると同時に、「レバンドフスキも翼君のファンだった」など、『キャプテン翼』にまたも注目が集まっています。以前、イタリア版を中心に前々回紹介しました(記事はこちら)。今回はヨーロッパ版の中でも驚きの、フランス版を紹介しましょう。

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こちら、私所蔵のフランス版DVD-BOXです。タイトルは『Olive & Tom』となっていますが、下に『Captain Tsubasa』
とも書かれています。日本語もフランス語も入っており、ボックス一つにDVD6枚、30話前後を収録。これがわずか15ユーロ(1500円)なのですから、フランスは素晴らしいです。


↑管理人所蔵のフランス版


↑キャラクター紹介や試合結果など収録のパンフレット付き

そう、いまでこそ日本アニメの地位が上がり、パッケージデザインもオリジナル尊重、音声も日本語収録、タイトルも日本版タイトル『キャプテン翼』併記と、日本のオリジナルに対するリスペクトが感じられるようになりました。

しかし! 今からわずか10年ほど前、状況は今とは全く違っていました。これが、10年前に始めて発売された『キャプテン翼』フランス版DVDです!



滝主役かよ!

完全に単なる脇役のくせして、何故かDVD第1巻にでかでかと映るこの男。どうみてもこれでは主役かラスボス…。その上第1巻なのに翼くんが後ろ向きで顔が見えません。これが芸術の都パリを擁する誉れ高きフランスのやることでしょうか。情けなくて涙が出ます。

流石にこれは…、と判断されたのか、DVDパッケージはすぐに作り直されました。それがこちら!



やっぱり滝主役かよ!

やっぱり翼くんの顔がわかりません。さらに石崎まで加わり、カオス度が増した気が…。それになんだこの下手な絵! これでも芸術の国フランスか? (どうでもいいけど、このDVDパリでワゴンセールされてて、僅か1ユーロで買ってきた…)

どういうわけか、昔の外国版はわざわざ現地でパッケージが描き起こされることが多く、時には酷いことになっていました。一番有名なのは、


これ

だと思いますが、これが何かご存知にない方はこちらからどうぞ。

さて、話を元に戻して、とにかく、どういうわけか海外ではわざわざパッケージを描きなおすことが非常に多かったのです。

で、この『キャプテン翼』フランス版も上記のように描き直されていたわけでして、この時のDVDシリーズは実に酷かったです。さらに紹介するとこんな感じ。











………

(゚Д゚) どうしてこうなった!


特に一番下の翼くんは酷すぎるだろ!


↑誰だお前!

何なんでしょう、このあまりに下手な絵は。フランス人の芸術レベルとは思えません。本当にこの地は芸術の国なのでしょうか? サザえもんの中での「芸術の国フランス」のイメージが、『キャプテン翼』のせいで崩壊しそうです。

また、13巻(上から三番目)には比良戸の次藤と東邦の(恐らく)反町(と思われる)人物が競り合っていますが、比良戸と東邦は対戦していません。なぜ反町を描く…。さらに、次藤と一緒にバックに写ってるの誰? 花輪のユニフォーム着てますが、花輪って立花兄弟以外いたの?


↑これが誰かわかる人、教えてください。

さすがにこのイラストはないわ~、となったのか、このパッケージの刊行は1年くらいですぐ終わったみたいで、新しいパッケージで再発売されました(収録内容はそのまま)。よかったよかった。


↑新しいバージョン。amazon.frで買った

しかし! フランス伝説はこれだけでは終わらなかったのです! DVDの表面だけでなく、裏面にも恐るべき秘密が隠されていたのです!


↑DVD1巻裏面

表面のトンデモなさに比べ、裏面はいたって普通ですね。裏面は本編の内容説明になっていますが、訳すと

「サッカーに情熱を燃やす転校生、オリヴィエ・アットン(翼のこと)が学校のチームに入部。その直後、彼はニューチーム(南葛のこと)のライバル、サン・フランシス(秀哲のこと)のすごいゴールキーパー、トーマス・プライス(若林のこと)と出会う。試合をすることが宣言され、2人はお互いの才能を発見し、認め合う」

ってな感じです。いたって普通ですね。

しかし! 問題はそこではありません。左下のクレジットに注目してください!


ⓒ 1983 TV TOKYO / SHOGAKU-KAN...

小学館!?

『キャプテン翼』は集英社の「週刊少年ジャンプ」連載です。なぜ集英社の名も作者の高橋陽一の名もなく、小学館の名が! もしかしたら、集英社じゃなく小学館に著作権料払っていたのかも知れません。フランス人のやることは想像の域を超えています。

本編のクレジット画面はどうなっているんだろうと思い、あわてて再生してみました。そしたら、どこにも集英社の名前も小学館の名前も高橋陽一の名前もありませんでした…。というより、声優の名前もスタッフの名前も出ないでテレビ東京土田プロダクション(制作会社)と翻訳者の名前とフランス放送局の名前くらいしか出てこない…。


↑フランス版クレジット画面。ほとんど名前がでない…

ちなみに、なぜか集英社ではなく小学館になってしまっているこの事件、新しいパッケージのバージョンでもそこは直っていませんでした。なお、現在発売されているDVD-BOXではちゃんと SHUEISHAになっています。

滝主役事件も、小学館事件も、もはや黒歴史として闇に葬られたものではありますが、私にとっては、憧れの芸術の国フランスに対するイメージを激変させた、恐ろしき事件なのでありました…。

ではまた!

余談

前々回と今回の記事を書くにあたり、『キャプ翼』をちょっと見てたら、これスゴイっすね…。スカイラブ・ハリケーンみたいな必殺技は、もうあれは最初っからマンガでしかできないトンデモ必殺技だってわかってるからいいんですけど、問題は普通のサッカー描写。明らかにサッカーじゃない…。フリーキックじゃないのにボールを止めて、後ろに下がって助走をとってからシュートに行ったシーンは、思わず笑ってしまいました。絶対アニメのスタッフ、サッカー調べないで描いたな…。


↑どういうフォーメーションやねん!(フリーキックじゃないんだぜ、これ…)




↑一つのボールにフィールドプレーヤー10人全員でスライディング。
これなんてスポーツ?


↑1つのボールに4人同時にヘディングを試みる南葛。危なすぎるわ!


↑当然こうなった

当時日本じゃ本当のサッカーを知っている人はほとんどいなかったけど、サッカー強豪国のイタリアやフランスやブラジルでよう受け入れられたな、これ…。

ちなみに、サザえもんが『キャプ翼』で一番笑ったのはこれ。世界選抜vs日本という、実際にやったら5-0とか6-0とかでやられそうな試合の1シーン。


↑世界選抜の6人が翼を取り囲む


↑当然翼はパスを出す


↑アホかこいつら…。

「MANGA王国ジパング」は、こんな『キャプテン翼』が大好きです!

ではまた!



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